ちょっと笑える小話集―ルンバ

先日、仕事の用事で、ある80代のおばあちゃんが一人暮らしをしている一戸建ての家に行った。

 

おばあちゃんは仕事とは言え訪問してくれた事を喜んでいて、色んな話を僕にしてきた。

 

話をするうちに打ち解けてきたおばあちゃんは少しづつ自分の抱える不満を言い始めるようになった。

 

「うちの嫁は私の年金を使って色んな物を買っとるわ」

 

「私にはご飯代しか渡してくれないけどそのご飯代も少ないから1日1食で済ませとるんじゃよ」

 

もし本当なら酷い話だ。

 

僕はおばあちゃんの事が心配になってきた。

 

きっと家族が滅多に会いに来ないから僕が来た事にあんなに喜んでくれたんだろう。

 

そういった思いが頭の中をよぎっていた。

 

そんな時にお掃除ロボットのルンバが掃除をしに来た。

 

「ルンバがいるんですね」

 

「嫁がうちに来て掃除するのが面倒だから私の年金を使って買ったんよ。 私はもうこんな年だから掃除もままならなくてねぇ・・・」

 

僕は本気で心配になってきた。

 

出来る限りおばあちゃんの話を聞いてあげようと思い仕事をサッサと済ませる事にした。

 

僕の仕事が終わりに近づいた時、おばあちゃんが小さい袋をもってリビングにやってきた。

 

おばあちゃんは小さい袋からパンくずを取り出してルンバの前に散らかした。

 

???

 

僕はおばあちゃんが何をやっているのか理解できなかった。

 

僕「おばあちゃん?」

 

おばあちゃん「一日に一食のご飯しかあげられんけどねぇ、よ~く働いてくれるわ」

 

 

 

ルンバの話だったらしい・・・。 しかもボケてるやん。